Sunday 27 July 2008

久しぶりのタンゴ

 久しぶりのタンゴは、テクニック・セミナー。2時間延々と、ステップとochoの練習に励む。2週間もヒールを履いていなかったにもかかわらず、gyrotonic10日間集中特訓の成果か、大腿内側からseed centreにかけてのつながりがよくなって、ぐらつくことが減った。また、腕から胸、seed centreにむかうconnectionができてきて、ochoのpivotが安定した。

 レッスンのあとは、数人でお茶をしに出かける。話が弾んで、お茶だけのはずが、夕ご飯も食べて、気がついたら3時間半もたっていた。improversのクラスのメンバーは、最近お互いにぐんと仲良くなり、あちこちのミロンガに一緒に出かけているらしい。私がミロンガで踊ったことがないと言ったら、今度の金曜日に一緒にNegrachaに行くことになった。いよいよミロンガ・デビューである。

 KimとDavidがあさってから里帰りするので、タンゴのレッスンは1ヶ月夏休み。ミロンガに通って実践練習に励む夏になりそう。

Thursday 24 July 2008

やっぱりひとりでは難しい

 24時間がかりで帰国した疲労がなかなか抜けず、時差ぼけもきつい。仕事に出たら一気に現実に戻されてしまい、NYで感じたややeuphoricなムードはあっという間にどこかへ行ってしまった。

 こんなことではいけないと、足を引きずりながらスタジオへ。誰もいない中、黙々とハンドルをまわした。Sebastianが、心臓の鼓動のリズムでハンドルを回せるように、慣れるまではメトロノームを使うのも手だと教えてくれたので、さっそく試して使ってみた。他の人の迷惑にならないようにイアホンでも聞ける電子式メトロノームを購入した。マニュアルのカチッカチッという、なんとなく懐かしくなるような音が出ないのは残念だけれど、とりあえず音は刻んでくれるので、これでよしとする。

 頭を使わずに体を動かすことをひたすら念じ続けながら、90分のワークアウトに励んだ。NYに行く前のように、考えすぎて、セッションが終わったら体も頭もがちがちになってかえって疲れてしまうようなことはなかったけれど、やっぱり、NYで感じたような、骨になる感じは味わえなかった。難しいなあ。

Wednesday 23 July 2008

Day 6

 最終日は、またまたマラソンarch & curlで始まった。20分あまりもハンドルをまわし続けただろうか。最後は、筋肉や内臓が全部なくなり、骨格標本が動いているような気分になった。なんとなく、Tim Burtonの映画の一部になったよう。

 最後の難関のSciatica combinationの練習。大腿後面やお尻がつりながらも、なんとかとりあえずそれらしい動きをするふりをすることができるようになったところでおしまい。

 最後の最後になって、いつも気分が悪かった胸椎のひっかかりは、腰からきていたということを発見。腰椎と仙骨をまっすぐにすると、胸椎のひっかかる感じがなくなり、尾骨から頭の天辺までつながる感じが出てくる。この感じを味わっただけでも、10日間動き続けた甲斐があったと、なんとなく感無量になった。

 飛行機の時間までずいぶんとあったので、Emilyのプライベートを受けて、締めくくりにした。

   こんなに運動したのに、体は元気で、まだまだ動けるような気がした。10日間で、体は元気になって若返った感じ。

 で、このあと、スムーズにロンドンに帰ってきてめでたしめでたしのはずだったのだが、とんでもないことになった。JFK空港からのVirgin Atlanticの夜の便は、予定から4時間遅れて真夜中に離陸。ところが、カナダ上空で客室内の気圧が突然低下し、酸素濃度を維持するために高度3.8万フィートから1万フィートまで下降したあげく、ロンドンまでこの高度で飛ぶには燃料が足りないため、JFKに戻ることになった。早朝4時半にJFKに着陸し、そのあと段取りも何もまったくない中、荷物の受け取り、チケットの再予約と並び続けて、なんとかJFKを再度飛び立ったのが朝の9時半。予定から12時間遅れてぼろぼろになって、ロンドン時間の夜9時半にやっとヒースローにたどりついた。10日間の連日の運動よりも、この旅のほうが数千倍も身体的にしんどかった。それにしても、Virginときたら、危機管理がまったくできていない。

 唯一のgood newsは、補償として、Virginの直行便の往復チケットをもらったこと。これでもう一度NYに行ける!

Sunday 20 July 2008

Day 5

 今日は、椅子での準備運動なしにいきなりarch & curlで始まった。ようやく動けるようになったSebastianもマシンに乗り、彼のかけ声にあわせて5人で延々とハンドルをまわし続けた。Sebastianは、gyrotonicで大事なのは動きと呼吸とリズムとよく言う。私は3つともまだまだできないのだけれど、最後のリズムはとくに苦手である。動きをきちんとしなければと思うあまり、力まかせでぎこちのない、もたもたとした動きになってしまう。その点、グループレッスンはとてもいい。みんなについていくのに必死になるので、細かいことに気を取られる余裕がなくなる。そうすると、不思議なことにリズムが出てきて、頭で考えてもできなかった動きがふとできたりする。頭が空っぽになって、マシンの一部になったようにハンドルを回し続けるって、ほんとうに気持ちがいい。

 レッスンのあとは、コースで一緒のみんなと夕ご飯へ。残りあと1日。

Saturday 19 July 2008

Day 4

 Review後半が始まった。Sebastianは、げっそりしてはいるものの、なんとか復活。医療用の電解質入り水をちびちびと飲みながら、teachingしていた。

 私は睡眠不足気味で、初めはなかなか体が動かなかったのだが、Sebastianのかけ声にあわせて、arch & curlを延々と繰り返しているうちに、Emilyに教えてもらったarch & curlのコツがなじんできて、30分もたったら、体は軽くなり、気分がよくなった。単純である。

 コースのあとでちょっと復習してから、Metropolitan museumへ。金曜日は夜9時まであいている。地下鉄もバスもなんとなく使い勝手が悪く、しかたなく、最高気温35度の中、Central Parkに沿って五番街を歩く。そして、Metの中を4時間歩き回った。

Friday 18 July 2008

Interval

 今回のNY滞在は、コースが3日ずつ2回の週末に分かれているので、あいだの4日間は、NY観光にあてる予定でいた。ところが、Sebastianが、intervalの間も時間をつくって練習したほうがいいと言うので、フルで観光しながら、数時間のgyrotonic/gyrokinesisもこなすという、とんでもないスケジュールになってしまった。

 Sebastianのprivate lessonをとる予定だったのだが、あいにく彼がstomach fluでダウンしてしまい、キャンセルになり残念。それでも、gyrotonicのグループレッスン(グループはなんと初めて!)、Erika Hassanの新バージョンのgyrokinesisのクラスを2回、Emilyのone-to-oneを受けた。その合間に、もちろん復習も。

 観光は観光で、City Passというクーポンを買ってしまったので、使わなければという強迫観念にとらわれて、あちこち見て回った。よくこんなに動けると思うくらい歩いて回った。おそらく、ロンドンにいる時の100倍くらい、体を動かした。

 gyrotonicからなかなか頭が切り替わらず、恐竜の化石を見ると、恐竜の骨盤から目が離せなかったり、MoMAでaudio tourを聞くために立ち止まっている時、ふと気がつくとnarrowing the pelvisや小さなarch & curlを試していたりと、我ながら、どうしようもないと思ってしまった。

Monday 14 July 2008

Day 3

 Review前半最後の日は、質問タイムが発展して、Seabstianのgyrotonicに関する講話で始まった。gyrotonicのエッセンスがだんだんと理解でき、体がかわってくるのに少なくとも1年かかるが、体をegoから切り離して道具として使えるような人は進歩が早いとか。外在化するってことかしら。彼は、東洋人と西洋人はegoとのつきあい方が違うから、この点でもちがうかもしれないと言っていた。たしかにばりばりに強いegoはないかもしれないけれど、そのかわりに常に外にある対照にあわせて自己監視をしていたら、うまく外在化できないことには変わりないと思う。この辺はもう少し考えてみるのもおもしろそう。

 Sebastianは、コースの最中、動きのclean-upという言葉をよく使う。Foundation courseの時とはまったく違って、ひとつの動きやhand-onについて、一言二言注意する点を言われ、それを気をつけながら何度か練習したら次に進んでしまう。その一言二言が、spot-onなので、逃さないように頭と体に叩き込まなくてはならない。たいていの場合、頭に入れるだけが精一杯ではあるけれど。

 3日目が終わったら頭が飽和してしまった。ほかの3人も同じように感じたらしく、誰も自主練に残らず、即スタジオをあとにした。

Sunday 13 July 2008

Day 2

 きちんと下腹部(seed centre - 丹田のあたり)で呼吸をすると、背骨のしっぽから頭の先までengageした動きができるらしい。「らしい」というのは、私ができたり感じたりしたわけではなく、Sebastianがやってみせてくれるのを見て、なるほどと頭でわかっただけだから。

 これまでは、おへその上を膨らませたりへこませたりしていたので、その位置をもっと下へもっていこうと努力はしているが、なかなかおへそを超えられない。たまに1cmくらい下のあたりで呼吸ができると、苦手なcurlがいつもよりもうまくできるので、さらに下まで意識できるようになると、動きの質がもっとよくなるのだろうと思う。

 夜は、Broadway Theatreで、Cirque Dreams jungle fantasyを観た。舞台の美術やコスチュームはartisticで美しく、サーカスの芸人(他に呼びかたを思いつかない)たちも、素晴らしかった。人間業とは思えないような芸も、体の使いかたをよくよく見ると、reviewで習っていること(5th lineが通っている、scoopをちゃんとしている等々)があてはまる。上手な体の使いかたには共通点があると、あらためて気がついた次第。

Saturday 12 July 2008

Day 1

 Apprentice Review Courseが始まった。

 Sebastianのスタジオは、セントラルパークのすぐ近くのオフィスビルの2階にある。一歩足を踏み入れると、外の喧噪が嘘のように、「ジャイロッ!」という世界が現れて、一気に気分が切り替わる。木の床の淡い色合いやすべり具合(というよりも、すべらなさ具合と言うべきか)、壁にかかった写真や墨書、たくさんのマシンの混み具合が全部あわさって、心地よい空間をつくっているのだと思う。

 参加者は私を含めて4人。私以外はみんな、プロのインストラクターだけれど気にしない、気にしない。

 今日の一番の収穫は、narrowing the pelvisの感覚がほんの少しわかるようになったこと。そうはいっても、inner thighsを内側に押す感じはまだつかめない。Sebastianにそう言うと、「6日間あるんだから」と返ってきた。

 お昼休憩をはさんで、4時間があっという間に過ぎた。できないことはあいかわらずたくさんあるけれど、できなかったことが少しできるようになったり、うまく消化しきれずにもやもやしていたことがすっきりしたりと、嬉しいことのほうがたくさんあったので、気分も(まだ)前向きでいられる。

 ジャイロトニックは名前のごとく、らせんの動きを特徴としているが、学んでいく過程もspiralだと思う。決して直線的に前進しないけれど、ぐるぐるとまわりながらも、気がつくと前に進んでいる。

 明日は、どんな発見があるのかな。

 New York Time 11:37, 11 July 2008

Thursday 10 July 2008

New York New York

 New Yorkに来た。10日間滞在する予定。20歳の時に一度来て以来なので、21年ぶりである。

 明日から、マスタートレーナーのSebastian Plettenbergのもとで、Gyrotonic Apprentice Review Courseを受ける。週末3日間を2回なので、途中の4日はちょっとした休暇になる。

 2月に東京でGyrotonic Foundation Courseを受け始めた頃は、趣味として楽しめば十分だと思っていて、自分が教えることになるなど夢にも考えていなかった。ところが、心身ともにぼろぼろになりながらもFoundation Courseを乗り切ったら、少し欲が出てきて、無理のない範囲でteachingに挑戦するのも悪くないかなと思うようになった。

 とりあえずやってみよう、続かなかったらそれでもいいやと、かなりいい加減な気持ちで始めたのだが、やってみると、教えることで新たな発見があるのがおもしろくて、友人や、友人の友人に協力してもらいながら、週末を使って細々とteachingを続けた。

 Apprentice Courseを受けるには、30レッスンをこなしていなければならない。途中ペースダウンしたものの、32レッスンを終え、明日からApprentice Courseを受ける条件だけはなんとか満たした。

 趣味の延長なので、プロのインストラクターたちに比べると、「教える」ということに対する真剣さや覚悟がまったく足りないと思う。そのかわり、自分の体が少しずつ変化していって、これまでまったく意識しなかった(できなかった)筋肉を感じることができるようになるとか、まったく関係ないと思っていた体の部分がコネクトすると動きの質が変わるとか、そういう発見への興味や好奇心は、たくさんある。足りない部分はこれでカバーして許してもらうしかない。

 なにしろ本業の仕事が忙しくて、出発の前夜は一睡もせずに仕事をし、徹夜明けで空港にむかった。それでもまだ終わらなかった原稿があるので、仕事を抱えての休暇になってしまった。飛行機の中では、出てくる食事を食べているか、うとうとしているか。せっかくVirgin Airlineに乗ったのに、映画を1本も見なかった。まあこれで、時差ぼけの調整が楽になるかもしれない。

 Gyrotonic三昧の6日間と、21年ぶりのNew York観光を思い切り楽しもうと思う。

Saturday 5 July 2008

a breakthrough

 6月の土曜日のセミナーのお題は「The Improvers Intensive」。Improvers(初級レベル)のための特訓セミナーといったところか。先生のKimによると、Beginners(初心者)のレベルからImproversへのステップアップに比べると、ImproversからIntermediateへのハードルはものすごく高く、誰もが苦労するそうで、そんな初級者たちをサポートするためにこのセミナーを始めそうである。

 特訓といっても、初心者のクラスと比べて難しいことや派手なことをするわけではなく、ひたすらqualityとvariationの向上を追求する。美しいステップ、正確にきちんと伝わるリードと的確に反応するフォローなどなど。

 今回の4週間(参加したのは3回)のセミナーで、私はようやく、フォローの壁をようやくひとつ乗り越えることができた。男性のリードにどうやって反応したらいいのか、少しわかってきたような気がする。ペアで踊るのが以前ほどいやではなくなった。

 セミナーに参加していた面々は、毎週月曜のレギュラーのImproversクラスでも顔を合わせる人が多い。中でも数人の男性は、この4週間の間に明らかにリードがうまくなった。(女性のことは、ペアで踊る機会がないので、よくわからない。)それぞれにpriorityがまったく違って、習ったパターンを正確にできるように練習する人、繊細なリードを追求する人、大胆なバリエーションに挑戦する人といろいろだが、踊りやすくなったことはまちがいない。ほとんどは、同じ時期にタンゴを始めた人たちである。2ヶ月前はペアで踊るのが精一杯だったのにと思うと、他人ごとながら嬉しくなる。むこうも、私のことを同じように思っているのだろう。2ヶ月前はリードしてもついてこれなかったのに、ようやくフォローが少しできるようになったねって。

 そろそろミロンガにデビューしても大丈夫かしら。